低炭素研究ネットワーク|国立大学法人 群馬大学

群馬大学

ご挨拶

群馬大学長 高田邦昭

群馬大学長 高田邦昭 群馬大学工学部・工学研究科では、50年以上にわたってカーボンに関する基礎研究とカーボンを用いた新素材開発を行ってきました。この間、ピッチ系炭素繊維の開発など多くの先進的な成果がありました。さらに今回、カーボンの新素材であるナノシェルカーボンを創り出すことに成功しました。明日の低炭素社会では、水素を使う燃料電池を中心としたエネルギー利用システムが有望視されています。これは、水素を作る、貯める、燃料電池で使うという三つのプロセスからなりますが、白金をはじめとする高価で稀少な材料が必要で、広範な普及の妨げになっています。ナノシェルカーボンは、従来の白金に取って代わる可能性を秘めていて、水素を核とした低炭素社会実現のためのキーテクノロジーの一つとなることが期待されています。このたび本学では低炭素社会構築に向けた研究基盤ネットワーク整備事業のサテライト拠点として様々な機器の整備を行いました。ハブ拠点や他のサテライト拠点と連携して有機的な血の通うネットワークが形成されると思います。様々な人々との人的交流を通じ、機能分子・機能材料の解析・実用化や新産業の創生を通じて低炭素社会実現のためのプラットフォームとして機能することを大いに期待しています。

群馬大学工学部 環境プロセス工学専攻 教授 尾崎純一

 アドバンストカーボン構造・機能相関解析研究拠点の研究グループリーダーをしております、工学研究科教授の尾崎純一です。本拠点では、低炭素社会にカーボン材料を用いた実現を目標に据え、研究を進めております。

 「カーボン(炭素)材料で低炭素社会?なんか変、矛盾している!」と思われるかもしれません。これは、今しばしば耳にする「低炭素」という言葉が舌足らずであるための誤解です。低炭素に含まれる「炭素」は、二酸化炭素のことです。そして、カーボン材料とはいわゆる「炭」のことです。

 では、どのようにカーボン材料を用いて、二酸化炭素排出の抑制を行うか?我々は、水素社会がその答えの一つであると考え、これをカーボン材料を基に作っていくことを目論んでいます。

 水素はクリーンなエネルギー源として知られていますが、天然に単体として存在しない、貯めるのが難しい、使うためには燃料電池が望ましい、という特徴を持っています。そのため、水素を使うに当たっては、それを「つくる」、「ためる」、「つかう」技術の開発が重要になってきます。これらの技術を、先端的なカーボン材料(アドバンストカーボン材料)により実現することが我々の夢です。このようなユニークな着眼点、そして半世紀以上の歴史を持つ本学独自のカーボン材料に関する実績により、サテライト拠点として認定されました。

今後、サテライト及びハブ拠点に導入されました高度な装置を用いることで、上記アドバンストカーボンの開発を加速するとともに、サテライトとしてのサービスも行っていく所存です。
何卒、ご支援賜りますよう、お願い申し上げます。

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